昨日のこと(2)

自分が献血をできないというショックから立ち直れず、気分を晴らすために映画を見に行った。かなり久しぶりだ。
適当に入った近くの映画館で上映していたのは、なんと「ALWAYS 三丁目の夕日」!
ちょうど前々から観たい、と思っていてまだ観ていなかった映画だ。
これはラッキー。今観るしかない!と思い、即チケット購入。

ALWAYS 三丁目の夕日 豪華版 [DVD]

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とても、良い映画だった!
幸せな時代が、そこにあった。
以下、ネタバレあり。


物語自体はそれほど特殊な出来事があったわけではないのだろう。
昭和33年という年代に、とある町で起こったことを淡々と描いているに過ぎない。
それでもやっぱりみんなが活き活きしていて、決して豊かとはいえない生活の中で、それぞれの「家族」が、幸せに、暮らして、生きていたのだ。
その中に見える「家族」の「愛」が涙を誘う、というカンジだった。
ところどころで感動というか何と言うか、何故か涙が出るような場面があり。
もちろん最後の茶川と淳之介のシーンが一番の見せ場なのだろうけど、そこに限らず様々なところで「美しき昭和の時代」というのが見えたような気がして、心が和み、感動した。
なんだろう、うらやましい、というのかな。この時代に生きたかったな、と思わずにはいられなくなるような、そんな感情も。


でも、この映画にこめられたメッセージはやはりラストの一平の台詞だろう。
『当たり前じゃないか、明日だって、あさってだって、50年後だって、ずっと夕日は綺麗なんだよ』
そう、今のこの時代だって夕日は綺麗なんだ。
今から50年後だって、夕日は綺麗なんだ。


『時代』がどう、ってことじゃないんだよ。
昔の貧しかった時代だろうと、今のおかしな時代だろうと、
変わらずいつだって夕日は綺麗なんだ。
なにも変わってはいないんだよ。


そんなことを感じた、素敵な映画。
何かを忘れてしまっている気がするときに、落ち着いて観てみると、良いと思う。
というわけで、今さらながら『ALWAYS 三丁目の夕日』、オススメです。


ちなみにキャスト、演技に関しても非常に良かった。
見る前は堀北真希が出てる、っていうところにしか注目していなかったが、
工場の社長演じる堤真一の頑固親父っぷり、
(怒ったときのキレ方、まさに昭和の親父!)
その妻を演じる薬師丸ひろ子の優しく立派な母親、
(夫を支え、優しく子供たちを守る理想の母親!)
売れない作家を演じる吉岡秀隆の優しさ溢れるダメ作家、
(あの淳之介に対するツンデレっぷりが最高!!)
そして親に捨てられた少年を演じる須賀健太の健気さ!
(表情、目の動きなど、素晴らしい!)
もちろん注目していた堀北真希も良い演技をしていた。


観終わってから気付いたけど、淳之介役をやっていた須賀健太君は今現在『喰いタン』で金田一役をやっている子だったんだね。
全然気付かなかった。メガネや服装で雰囲気が変わるにしても、まことにビックリ。
この子もすばらしい子役、役者になるのではないだろうか。


そういえば親に捨てられた子を引き取る赤の他人、というシチュエーションで『ニコニコ日記』を思い出した。
やっぱりアレも映画化されればスゴイ感動しただろうなぁ、とか。